みなさまこんにちは、世界最大のげっ歯類のカピバラです。
今回は、独断と偏見でSF小説ベスト20をランキング形式で決めて行きます。
もちろんランキング入りした全ての本は、筆者が今までに読んだ本です。また、この記事を書くにあたり改めてざっとですが読み返しました。
お時間がない方は是非トップ3だけでも見ていってください。
それではどうぞ!
(↓ミステリランキングベスト100もあります!)
個人的SFベスト 20位から1位まで
20位〜11位
20位 星を継ぐもの
いわゆるハードSFです。
ハードSFとは、科学に関する、あるいはSFに関する考証に強く比重を置いている作品になります。
本作も月で死体が見つかるというスタートから入るのですが、その死体が5万年前のものであることが判明します。
その謎を追い求めていきますが、謎が謎をよび、自体は混迷を極めていきます。
その謎が解けるラストの評価が高いのが本作なのですが、あまり私は意外性がないように感じました。単純に私が話についていけてないだけかもしれませんが。
とはいえその重厚さ、綿密に紡がれた物語を評価し、20位に。
19位 火星年代記
途中は作中でも争い(というより戦争)などもありました。
しかし、ラストの『優しく雨ぞ降りしきる』と『百万年ピクニックの』情景の美しさと素晴らしさはいうことないです。
このようなSFは本来私の好みから若干外れているのです。どちらかというとわかりやすく派手なテーマが好きなので。
それでもこの作品をトップ20に入れない選択肢はないですね。
ちなみにショートショートの王である星新一先生をSFの世界に引き入れた原因がこの『火星年代記』だとか。
18位 夏への扉
冷凍睡眠ものですが、仕掛けが含まれており、まるでミステリのような様相を呈していきます。
全体的には思ったほど山場がないまま進んでいきます。ちょっと古い本なのでそこは仕方がないのかもしれません。
最後の終わり方が素晴らしい。なんというか‥ まあネタバレになってしまうのでここには書けませんが汗
『新世界樹の迷宮』をやったことある人ならクスッとするところがあります。
17位 塩の街
突然謎のオブジェが東京湾に飛来し、都内の人間の半分以上が塩になって死に、インフラが壊滅的になった東京のお話です。
前半部分はとても良かったのですが、後半やや失速気味なのがざんねんでした。
秋庭さんと真奈ちゃんの関係が好きだったのでランクイン。
16位 海底二万里 ジュール・ヴェルヌ
潜水艦で海底を冒険するSF小説です。
その話がなぜSFなの?と思うかも知れません。しかしこの本が書かれたのは1870年なのです。
当時は一応沿岸で潜水することはできたそうですが、内燃機関はなく、どちらかというと空気が入った箱の中に入って沈んでいくイメージでした。
まともな潜水艦が出てくるのにはこの本が執筆されてから50年ほど待つ必要があります。
海の描写の美しさや、沈んだ大陸などワクワクさせる要素はヴェルヌならでは。
あまり知られていませんが、この作品に出てくるネモ船長は、他のヴェルヌの作品にも出演しています。
15位 ボトルネック 米澤穂信
現代の日本に住む男子高校生が突然並行世界へ飛んでしまいます。
並行世界は出てくる人間などが基本的に自分が元いた世界と同じなのです。しかし、その男子高校生にあたる人間が何故か女の子でした。のちに元の世界で死んでしまった自分の姉だということがわかります。
そこで、残酷な真実を知らされます。青春モノと言いつつものすごく苦いお話です。
そして、ラスト1行の衝撃、色々な反応をする人がいるでしょう。私は笑ってしまいました。泣きたいのに一周回って笑ってしまう感じですね。
タイトルを考えた人は悪魔に魂を売っているに違いない。
14位 時生 東野圭吾
ボトルネックとは違い、爽やかな話です。
時生という不思議な少年に花屋敷で出会った自堕落かつ粗暴な生活をしている拓実。しかし、不思議と素性の知れない時生と仲良くなっていきます。
しかし、拓実の彼女が突然失踪し、時生と共に真相を追いかけます。
サスペンス×SFですね。事件解決後のエピローグも良いです。安定の東野クオリティでした。
私の友人の中には東野先生の作品でこの本が一番という人もいます。
13位 タイムマシン H・G・ウェルズ
いまでこそ『ドラえもん』、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』、『ターミネーター』シリーズなどでもお馴染みのタイムマシンですが、その名前を一躍有名にしたのは本作と言っても過言ではないでしょう。
タイムマシンを使って80万年後の未来に行った科学者が、現在とは違う人類が生活しているのをみて、交流をしていきます。
思ったよりストーリーは地味ですが、ワクワクさせてくるものがあります。最終的に行った未来では驚愕の結末が待っています。
12位 透明人間 H・G・ウェルズ
傲慢な科学者が、透明人間になったはいいものの元に戻れなくなってしまいました。
そして、自分が透明であることから不便を感じていましたが、徐々に心が荒んでいったことで…
ちょっとホラー味もありつつ、面白いです。この本も超有名作ですが、児童書のような印象もあるのですよね。でも大人こそ読むべき本だと思います。
元に戻れない透明人間の設定って案外珍しいですよね。彼は元に戻ることができるのかがこの作品の見どころです。
11位 海底牧場 アーサー・C・クラーク
同作者の『幼年期の終わり』と比較するとあまり知られていませんが、おすすめです。
海底で鯨を養殖のように育てつつ、生活をする人たちの話です。
海底がいかに危険なところであるのかが非常に印象的で、それと同時に美しさも兼ね備えています。
ラストでは案の定というか主人公が海底にて絶体絶命の危機に陥ります。やっぱり海って怖い。
10位〜1位
10位 処刑(ようこそ地球さん収録) 星新一
ショートショートを主に書かれている星新一先生の本にしては、ちょっと長めです。(とはいえ30pほど)
飲み物となる水がボタンを押すと出る機械を渡されて、辺境の星に置き去りにされました。
男は重罪を犯しており、その罰としてそのような仕打ちを受けることになったのです。
しかも、水を出す機会は一定確率で押すと爆発するようになっております。
男の心境の変化が興味深く、ショートショートですがランクインさせました。
9位 終末のフール 伊坂幸太郎
3年後に巨大な小惑星が地球に衝突することが決まった世界で、混乱に陥る日本の様子を描いています。
今まで通り生活する人たちは一握りで、暴徒と化す人たちや、引きこもってしまう人たちなど。
しかし、小惑星の恐怖にも負けずに精一杯生きる人たちもいます。
そんな人間の強さや弱さを描いたヒューマンドラマです。感動系の話がそこまで好きではない私もジーンときてしまいました。
「あなたの生き方は、どれくらい生きるつもりの生き方なのですか」「死に物狂いで生きるのは、権利じゃなくて、義務だ」
8位 アンドロメダ病原体
超名作映画の『ジュラシックパーク』の原作者であるマイケル・クライトンの小説です。
宇宙空間の微生物を回収した人工衛星が落ちた付近の町で、血液が固まって死ぬというなんとも悍ましい病気が蔓延します。
生き残ったのは生後2ヶ月の赤ちゃんとアルコール中毒の老人のみです。
この2人の生き残った理由を探りつつ病原体の解明に奔走する話です。コロナ時代だからこそより楽しむことができました。
7位 宇宙戦争 H・G・ウェルズ
ウェルズ先生は本当に引き出しが広いですよね。
この宇宙戦争では火星から攻めてきた火星人と1900年ごろの人類が戦うことになります。
しかし、火星人の技術は圧倒的で、人類は次々とやられていき、なす術がありません。
そのラストはあまりにも有名で、今となっては擦られすぎていますが、当時は斬新だったことでしょう。
今読んでも決して色褪せることのない名作です。
6位 涼宮ハルヒの消失 谷川流
ミステリの項目でも紹介しましたが、この本はSFでもあります。
本人は自覚していませんが、神にも準えるほどの現実改変能力がある涼宮ハルヒ。しかし、そのハルヒが突然いなくなってしまい、周りの人はそもそもハルヒを知らない様子です。
この謎を解くためにハルヒのパートナー(?)である男子高校生のキョンが奔走します。
ライトノベルの頂点と呼ぶべき一冊です。
5位 新世界より 貴志祐介
本当に貴志先生ってレベルが高い本をさまざまなジャンルで書いてありますよね。
現代よりも遥か未来で、他人を傷つけることができない新しい人類たちは超能力を使い、科学的なものからは距離を置いて生活していました。
しかし、その世界の恐るべき真相に、主人公たちは迫っていきます。
圧倒的な情景と極めて精緻に練られたストーリーは一気読みさせてしまうこと間違いないです。
4位 一九八四年 ジョージ・オーウェル
ディストピア小説の傑作です。小説の世界で絶対に住みたくない世界のトップです。
『ニュースピーク』『テレスクリーン』『二分間憎悪』『二重思考』などなど発想が天才的でした。
完全なる管理社会に主人公は抗うことができるのか。その結末は絶対にネタバレなしで見てほしいです。
偉大なる父ことビッグブラザーがどう見てもスターリンなの笑ってしまいますね。
3位 鋼鉄都市 アイザック・アシモフ
意外と読まれていない(ような気がする)SFミステリの傑作です。
ロボットと人間が共存するようになった世界で、起こり得るはずのない殺人事件が発生します。
主人公とロボットがバディを組んで事件を解決に導こうとするのですが…
ミステリベスト100にも入れましたが、SFの名作でもあるので本ランキングからこれを外すわけにはいきません。
2位 アルジャーノンに花束を ダニエル・キイス
人はいいものの、IQ68という軽度の知的障がいを持つチャーリー。しかしロボトミー手術をうけて、IQ185の天才になります。
しかし、高い知能を手に入れたことで、今まで見えてなかった人間の悪意など悪いものが見えるようになってしまい‥
これほど読むのが辛く、それでいて感動できる作品は他にはないでしょう。
ラストの一行は私が読んだ全ての小説の中で一番印象に残っています。
1位 幼年期の終わり アーサー・C・クラーク
1位は間違いなくこの作品でしょう。
オーバーロードと呼ばれる人間をはるかに超える技術を持った宇宙人たちが地球にやってきます。
警戒していた地球人を他所目に、オーバーロードは非常に有効的に接し、地球の文明を豊かにしてくれました。
争いはなくなり、資源の奪い合いもなく、平和な時間が続いていたのですが‥
第三章からの怒涛の展開は圧巻です。読んでない人は是非とも読んでほしい。これほどまで衝撃を受ける作品はSFというジャンルに関わらずほとんどございません。
天才が作る圧倒的な想像力で作られた世界にどっぷりと浸かってください!
あとがき
私が大好きなのはミステリですが、SFはミステリと親和性が高く、こちらのジャンルも好きです。
ただ、ミステリ作家と比較するとSF作家の数は少ないように思います。
このジャンルは書くのが難しいのかもしれませんが、もっと名作がどんどん世に出回ってくれるようになると嬉しいですね。
それでは、ここまでお読みいただきありがとうございました。
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