みなさまこんにちは。
名探偵コナンが話題ですが、それに負けないくらい面白いミステリの漫画があります。そう、『金田一少年の事件簿』です。
コナンよりも古い歴史を持ち、累計一億部も売れている推理マンガの金字塔で、コナンよりもおどろおどろしい雰囲気が非常に魅力的な作品となっています。
今回は、金田一少年の事件簿(金田一37歳の事件簿含む)の事件ごとのストーリーを第一話の『オペラ座館殺人事件』から最新話である『人狼ゲーム殺人事件』までの57作と大好きな番外編1話の計58話を一挙にランキング付けいたしました。(なお、例外の一冊を除く番外編と、短編集は今回はランキングの対象から外しています。)
金田一少年の事件簿において、あからさまにつまらない話はないので、全話からランキングを作って再会を決定してしまうというのは非常に心苦しいです。
しかし、全ての作品にコメントを残したいのであえてこういう形式にいたしました。
金田一少年の事件簿は、大体のお話が一話完結になっているので、気になった物語から読むのも十分ありだと思います。(もちろん、第一話から全部読んでほしいですが、実際問題としてちょっと長いので大変だとも思います。)
特に、トップ10は揺るぎなく面白いと思います。
本ランキングで、読みたいお話や、気になっているお話を見つけていただけると幸いです。
このランキングはそれぞれのストーリーの見どころなどの解説も入っているので、金田一少年の事件簿に詳しくない人でもお楽しみいただけます。
事件の真相についてはネタバレをしていませんが、ちょっとしたネタバレが少しだけとはいえ入っていることにご了承下さい。
金田一少年の事件簿 ランキング (金田一37歳の事件簿含む)
ちなみに、(37歳)と書いてある作品は金田一37歳事件簿の作品であることを表します。
第58位 怪奇サーカスの殺人
ごめんなさい。最下位は『怪奇サーカスの殺人』です。
でも決してつまらないわけではありませんよ。MONSTERと呼ばれていた行方不明の大柄かつ怪力のサーカス団員にしか不可能と思われる状況で殺人が行われます。殺されたのは同じサーカスのメンバーで、犯人からは「MONSTER IS BACK」なるメッセージが…
そのサーカス団の過去に迫っていく内容はドキドキしながら読めると思います。
しかしながら、トリックが非常に地味であること、話のたたみ方が性急であるように感じたため、最下位としました。金田一シリーズでなければ面白い漫画として勧めるのですが、金田一シリーズは全体的にレベルが高すぎるためこのような事態が起きます。
ちなみに、この回の犯人はとある記録を持っております。詳細は伏せますが、『名探偵コナン』ではまずありえないことです。
第57位 綾瀬連続殺人事件 (37歳)
もっと順位を上にしたかったですが、印象が薄い作品のでこの順位に。
最後の犯人との対決は緊迫感があって好きなのですが、事件途中の道中が中弛み気味な気がします。
金田一の従兄妹の二三ちゃんが大人になって再登場します。大分キャラが柔らかくなっていました。
第56位 黒霊ホテル殺人事件
一応長編という扱いにはなっていますが、長さ的には中編かと。
金田一シリーズにしては凡庸なお話ですが、話がそこまで長くないので情状酌量の余地ありということで最下位を免れたという塩梅の作品。
トリックは地味ですが嫌いではないです。
第55位 銀幕の殺人鬼
美雪ちゃんが映画研究部(他校)が撮影する映画のヒロインとしてスカウトされます。
なし崩し的に金田一も一緒に向かうのですが、そこで連続殺人事件が発生します。
その事件の鍵は過去に映画研究部が過去に撮影した映画である『大追跡』にあることがわかり…
と正統派な金田一の作品ではあるのですが、いかんせん恐ろしさや人間ドラマが足りていない作品です。そもそも人物の描写が薄く、金田一が犯人を指摘する場面でこの人誰だっけと一瞬なってしまいました。
映画の撮影というマニアックな題材でのストーリーという点で楽しむ金田一シリーズの上級者向けの作品かもしれません。
第54位 速水玲香誘拐殺人事件
金田一の友人であるアイドルの速水玲香とマネージャーが誘拐されてしまい、身代金が請求されます。
そして、なぜか金田一が身代金の受け渡し役に選ばれますが、犯人の『道化人形』は警察に追われるのが嫌なのか身代金の受け渡し場所をコロコロと変えてきます。
最終的には身代金の受け渡しは失敗し、玲香ちゃんは助かりましたがマネージャーが殺されてしまいます。
そして、この誘拐事件に仕組まれた真相を金田一が見抜いていくというお話です。
誘拐犯との駆け引きは好きなのですが、謎解きがシンプルすぎるためこの順位にしました。ただし、最後の金田一とある人物の電話のやり取りは一件の価値あり。相手が格好良すぎました。
第53位 黒魔術殺人事件
黒魔術を信仰している一家にて金田一と美雪ちゃんは旧友である井沢(小説版である『邪宗館殺人事件』にも登場)とともに、殺人事件に巻き込まれます。
そして、その一家の中で1人黒魔術の殺人の儀式をひっそりと行っているものがいることが読者のみにあかされ…
この話もちょっと短すぎるので事件と謎解きがややチープです。その一方で金田一シリーズならではの人間ドラマはしっかりと描写されており、もっと上位にランクインしてもおかしくはありません。
それにしても高遠さん出す必要あった?
第52位 人狼ゲーム殺人事件 (37歳)
最新話にしてこの順位。
人狼ゲームは私も大好きで、ストーリー付きのアプリをやったりするので期待大でしたが、事件の進み方がやや退屈でした。
題材が人狼ゲームということで個人的に勝手に上げていた期待を裏切られたということでこの順位に。
なお、金田一37歳シリーズで初めて美雪ちゃんが登場しますが、金田一との今の関係はよくわからないままです。和やかに話はしているのですが、結婚してるのかしてないのか。
第51位 タワマンマダム殺人事件 (37歳)
金田一が訪れたタワーマンションで殺人事件が発生。
いわゆる倒叙もので、最初から読者には犯人が分かるように書かれています。しかし、登場人物に余り魅力がなく、なんというか短編でやるようなお話というかノリなのです。
長編で珍しい倒叙ものということで最下位クラスからは脱していますが、話の展開だけならもっと順位下でも良かったかも。
第50位 魔神遺跡殺人事件
金田一と美雪ちゃんは学校の美人な先輩と遺跡発掘のアルバイトのため、その先輩の出生地である島根県の村を訪れます。
そこには『凶鳥の命』と呼ばれる村の守り神の伝説があり、その伝説が実在するかのように次々と殺人事件が発生します。
金田一の黄金パターンであるドロドロとした雰囲気での事件が非常に良いです。犯人の末路と被害者の1人が金田一シリーズでも異例だったりします。
第49位 剣持警部の殺人
かつて、女子高生を残忍な方法で殺した人物たち(少年法で早々に出所)が次々と殺されて行きます。
金田一でも屈指の外道の被害者たちですが、その疑いが金田一と懇意にしている剣持警部にかかり、金田一が事件解決のために奔走します。
少年法の是非を問う内容などストーリーは重いですが、意外性のある謎解きは金田一シリーズでも上位に入ってきます。
なぜこの順位かというと、ちょっと剣持警部のキャラがよくわからなくなっていたからですね。完全に個人的な理由です。
第48位 金田一二三誘拐殺人事件
金田一の従姉妹の二三ちゃん短編でも誘拐されてましたね。
新選組に扮した人が集まるイベントで発生した二三ちゃん誘拐事件解決のために金田一が参加したメンバーと協力しつつ事件解決にあたります。
誘拐事件の際のサスペンスは好きですが、いかんせん殺人事件の内容とトリックが地味。
第47位 騒霊館殺人事件 (37歳)
仕事の関係でホテルに改装予定の洋館に訪れた金田一と部下のまりんちゃん。
しかし、そこはポルターガイストが起きたことがあるという噂があり、実際にポルターガイスト現象が発生。そして、それにはとどまらず殺人事件も発生してしまいます。
金田一でよくありがちな設定ですが、やや緊迫感に欠けます。犯人周りのお話は好き。
第46位 黒死蝶殺人事件
暗いところで光るという『夜光蝶』。世界でもその夜光蝶を唯一繁殖させ、所有している一家の屋敷の中で、次々と殺人事件が発生します。
生物学的にありえない描写を除けば、事件も非常に興味深く、ゲストキャラクターもとても印象に残ります。
あと、被害者が可哀想な事件ランキングでは金田一シリーズでもトップに入ります。なんとなく後味の悪さから順位を低くしてしまいました。
第45位 異人館ホテル殺人事件
金田一と美雪ちゃんは函館にある異人館ホテルという建物で行われるミステリーツアーに参加しますが、そのミステリーツアーにて『赤髭のサンタクロース』を名乗る人物から脅迫状が送られます。
そして、ミステリーツアーにて行われた演劇にて、犠牲者が発生し…
金田一でも特に救われない犯人が印象的です。事件の真相の意外性は金田一でも上位に来ますが、なんとも悲しい終わり方でした。
また、『名探偵コナン』では絶対にあり得ない立場の人物が被害者になります。
第44位 吸血鬼(ヴァンパイア)伝説殺人事件
旅に出ていた金田一が、廃墟ペンションの『ルーウィン』で美雪ちゃんと久しぶりに再会をします。
しかし、その再会も束の間で美雪ちゃんが謎の人物に襲われ、また、吸血鬼に襲われたかのような跡がありました。さらには別の宿泊客は殺されてしまいます。
この話が連載されるまで、作者は『探偵学園Q』を描いていたので久しぶりの金田一シリーズでした。そのため、金田一と美雪ちゃんの絵柄がちょっとちがう(幼く見える)という特徴があります。
事件のトリックはシンプルでわかりやすいですが、もう少し捻ったものがあっても良かったかも。
第43位 蟻地獄壕殺人事件
地下壕でのよくわからない実験に参加した金田一は、バイタルなどを管理させられた状態で生活をします。しかし、例によって殺人事件が発生。
本格ミステリさながらのトリックが印象的です。
あとは地下壕での生活の様子も非現実感が出ていて良かったです。
第42位 悲恋湖伝説殺人事件
美雪ちゃんと共に悲恋湖という湖のほとりにある宿泊施設に行った金田一ですが、そこで大量殺人鬼ジェイソンが脱獄したとのニュースが入ります。
そして、ジェイソンの手口そっくりのやりかたで、宿泊施設に泊まっているメンバーが次々と殺されて行き、さらには美雪ちゃんも重症を負ってしまいます。
脱出もできない中で起きる『13日の金曜日』リスペクトの事件が非常に面白いです。
初期の金田一は誰がやられるかわからない緊迫感がいいのですよね。若干ホラーも入っています。
第41位 怪盗紳士の殺人
準レギュラーである怪盗紳士が初登場いたします。
金田一は相変わらずよくモテますね(羨ましい)。そしてそれ以上にいく先々で事件に巻き込まれます(全然羨ましくない)。
本作は面白くはあるのですが、なんとなくいつもの『金田一シリーズ』でどこかで見たお話だなという印象です。
トリックと謎解きは非常に地味なのですが、ゲストキャラクターのキャラがよく立っているのでまあこの順位が妥当でしょうか。
第40位 錬金術殺人事件
絶海の孤島の中で起きる殺人事件という私が大好きなシチュエーションです。
ちょっとトリックが好きではなかったのでこの順位にしていますが、もっと高くても良かったかも。
でも島で起きる事件ということで出来の良かったオペラ座館とどうしても比べてしまうのですよね。
第39位 鬼戸・墓獅子伝説殺人事件
金田一世界n度目の古い因習が伝わる祭にて殺人事件が発生。
あまりにも似たようなお話を見てきたせいで不感症気味になっていますが、トリックは目新しいもので面白かったです。
ちょっと中弛みしているところや、緊迫感がややたりないことが残念。
第38位 京都美人華道家殺人事件 (37歳)
仕事で金田一が訪れた京都の華道家にて起きる連続殺人事件。
たまにはクローズドしすぎていない雰囲気で起きる事件もいいですね。京都のお店にまりんちゃんと行く金田一が羨ましい。
真相も1捻りあるものであり、慎ましい事件ながらも読む価値はあります。
第37位 白蛇蔵殺人事件
酒造を営む大きな一家で起きる殺人事件を描きます。
トリック自体は地味ですが、犯人当てのヒントの出し方が好きな事件。言われてみればという感じでした。
同感してくれる人は少なそうですが、ペットの毒蛇の白ちゃんが可愛い。なぜか容疑者リストに載っています。
第36位 雪鬼伝説殺人事件
アルバイトで訪れた雪山のロッジにて殺人事件が発生。
思いっきりの良すぎるトリックと、犯人のキャラは良いです。トリックがちょっと非現実的な気がするので人によってはそこはややマイナスかもしれませんが、漫画だとこのくらいでも良いのでは。
第35位 魔犬の森の殺人
どう考えても犯罪行為をしている金田一ですが、このシリーズでこういうことを気にしたら負けです。
事件自体はそこまで難しくはないのですが、おいおい嘘だろという驚きがあります。
これだから金田一は油断できないのですよね。事件自体は割と平凡ですがその一点だけでこの順位にまでなりました。
第34位 学園七不思議殺人事件
この事件の怪人はめちゃくちゃ登場シーンが怖いですね。小さい子はトラウマになってもおかしくはないです。
金田一の第4話にして、不動高校の生徒がまたしても殺されます(3回目)。もうこの学校封鎖した方がいいんじゃないかと最初に読んだ当時思いましたが、金田一シリーズはこの後現在までで長編だけでも53話続き、不動高校関係者はその後もたびたび死ぬことになります。
ついでに不動高校のPTA会長と校長は不倫関係にあり、どこから切り取っても真っ黒です。
学校という日常的な空間でありながら、迫り来る脅威がしっかりと書かれています。また、トリックの演出がお見事。
第33位 タロット山荘殺人事件
雪の中に立つ山荘に、アイドルの玲香ちゃんに招かれておとづれた金田一と美雪ちゃん。
しかし、そこで例によって殺人事件が発生。犯人は玲香の父親であるその山荘のオーナーですが、金田一に着々と追い詰められていきます。
しかし、金田一はおろか、犯人ですら予想ができないことが次々と起きていき…
意外性のある展開が面白いですが、事件解決はもう1捻り欲しかったかも。
第32位 聖恋島殺人事件
釣り大会が行われている聖恋島に金田一、美雪ちゃん、剣持警部が訪れます。
島には人間魚雷で亡くなった人に関する伝説があり、そのことを嘆き悲しむのかのような声が島には時々聞こえます。
そして釣り大会のメンバーが殺されていき、食糧庫も荒らされとピンチになる金田一一行。金田一シリーズでもかなりの長編であり、読み応え抜群のお話です。
それにしてもなんで金田一シリーズの医療関係者ってクズしかいないのでしょうか。
第31位 狐火流し殺人事件
幼馴染の友人が殺されたとの連絡をうけて、白狐村を訪れる金田一。
そこで、他の旧友とも再会しますが、殺人事件はさらに続いてしまいます。
何というか後述する『雪影村殺人事件』のセルフオマージュのような気がする作品なのですが、完成度はあちらの方が上です。
それでも犯人がなぜこんなことをしたのかの真相は一件の価値ありです。
第30位 人喰い研究所(ラボ)殺人事件
金田一と美雪ちゃんの中学校時代の天才少女の繭ちゃんに招かれて、僻地にある研究所に訪れた2人。
そこではその少女の父親が謎の不審死を遂げており、さらには同じ職場で自殺未遂を起こす人などがいて曰く付きの場所となっています。
事件自体はそこまで特筆すべきことはないのですが、繭ちゃんのキャラクターが良いのでこの順位に。金田一では珍しい人当たりのよい天才です。
最後に未解決の謎が1つ残っていますが、その謎を自力で解いた結果は流石金田一としか言いようがありません。
第29位 ゲームの館殺人事件
映画の『SAW』の影響を受けているような気がする本作ですが、金田一シリーズでも異色作で面白いです。
金田一と美雪ちゃんが課題を出されて失敗すると死ぬいわゆるデスゲームに、見ず知らずの人と参加させられます。
デスゲームの雰囲気が好きな私はとても楽しめました。話自体は長くないのでサクッと読めます。
第28位 天草財宝伝説殺人事件
天草四郎の残した宝を探すため、熊本県の天草にルポライターのいつきさんと訪れた金田一と美雪ちゃん。さらには他にもメンバーが集まり、各々で協力しつつ宝探しに奔走します。
しかし、そこでは宝を狙うものを殺そうとする白髪鬼の伝説があり、メンバーの一人が殺されてしまいました。
なぜか金田一たちは宝探しを続けますが、更なる犠牲者が発生してしまいます。
余談ですがこの事件。現実世界において解答編が出る前に事件の推理をした人が6000人ほど作者に手紙を送ったのに対し、正解者がたった3人しかいなかった伝説の回です。
第27位 雪夜叉伝説殺人事件
準レギュラーのイヤミ警視こと明智警視と金田一の友人になるアイドルの速水玲香の初登場回です。
明智警視はこの頃はイヤミ警視どころではない相当やばいやつで、間違いなく警察官失格の行動をしていますが金田一シリーズならよくあることです。
トリックの大掛かりさと派手さは金田一シリーズでもトップクラスで、明智警視と金田一の対決も好きなのですがトリックの実現性はちょっと微妙かも…
第26位 オペラ座館殺人事件
記念すべき金田一シリーズの第一作にして、荒削りながら高い完成度を誇ります。
この作品では死体を見ただけで気絶するという今となってはレアな美雪ちゃんを見ることができます。
島のペンションで起きる金田一と美雪ちゃんの所属する演劇部のメンバーが次々と殺されていきます。不動高校呪いの歴史はここから始まったと言っても過言ではないでしょう。
おどろおどろしい雰囲気は、ホラー好きな方にも十分に楽しんでいただけるはずです。
第25位 歌島リゾート殺人事件 (37歳)
4度目のオペラ座館のある島において発生した殺人事件です。
もっとも、オペラ座館自体は取り壊されており、金田一はこの島に婚活を目的としたツアー客の案内で来たのでした。
しかし、またしても連続殺人が発生。金田一少年シリーズとは雰囲気の違う犯人に要注目です。新鮮味があって良かったと思います。
第24位 亡霊校舎の殺人
宝探しのため、廃校で生活しつつ金200kgとも言われる宝を探し求める金田一一行。
しかし、集まった宝探し組のメンバーが次々と殺されていき、事件の背後にはあの男の影が…
ありがちながらも王道の展開が続く作品で、読者を飽きさせることはないでしょう。
第23位 人形島殺人事件
伊豆沖にある火山島に向かった金田一と美雪ちゃん。その理由は金田一の学校の先生の暗号を解いたことから始まる。
島では人形を供養するための儀式があるのだが、その儀式が終わる前に参加者が惨殺されてしまいます。
最近の金田一にしては初代並みにおどろおどろしい作品で、楽しめました。
第22位 仏蘭西銀貨殺人事件
金田一と美雪ちゃんの友人で、今はトップモデルとして活躍しているますみちゃんのお話です。
しかし、ますみちゃんは付き纏ってくる元カレをうっかり殺してしまい、窮地に立たされます。そしてそのことが原因で葬送銀貨と名乗る人物から脅されて…
様々な人物の思惑が集まるファッションショーでの事件がお見事でした。強いていうなら噛ませ役のこの会にしか登場しない探偵のフランス人はいらなかったように思います。
第21位 飛騨からくり屋敷殺人事件
自分で順位をつけていて驚きました。このストーリーでもこの順位に来るのかと。
古い因習が残った旧家で起きる連続殺人。そしてその連続殺人は首狩り武者と呼ばれる仮面と鎧をつけた人間によって引き起こされます。
そして、密室殺人と首なし死体など本家金田一耕助リスペクトのような面白い事件です。
第20位 金田一少年の殺人
金田一が殺人事件の犯人として逮捕されてしまうというショッキングなお話です。
警察が当てにならないと考えた金田一は、警察の連行中に逃亡して自分で真相を見つけることを決意しました。
映画『逃亡者』のように追われる立場で何度も危機に陥る金田一。事件解決のために奔走しますがいく先々で次々と殺人事件が落ちてしまい、いよいよ窮地に立たされてしまいます。
サスペンスとして秀逸な一作です。ミステリとしての完成度がもっと高ければいうことなしでした。
第19位 首吊り学園殺人事件
初期の金田一にしては恐ろしさは控えめですが、ミステリ部分の出来がお見事。
予備校で次々と殺されていく生徒たち、その狡猾な殺人犯に金田一が挑みます。不動高校が許される世界でなければ、この予備校も潰れることでしょう。
金田一でも最強候補の犯人が出すトリックを読者は見破ることはできるでしょうか。もちろん私には無理でした。
第18位 異人館村殺人事件
同級生の女の子を助けてあげた金田一ですが、その女の子は結婚式のために青森の異人館村に帰ることになります。
しかし、そこで密室の中、花嫁姿の首を切られた死体が発見され…
ドラマとしての完成度が非常に高く、犯人と被害者の関係に要注目な一作。初期の金田一にしてとても密度の濃いお話です。
第17位 雪影村殺人事件
金田一シリーズでもおそらく評価が分かれる作品だと思います。
事件やトリックははっきり言って非常に地味。しかし、物語全体を彩る美しくも悲しい雰囲気がそれらを補って余りあります。
私はそういうものを金田一シリーズには求めていないつもりでしたが、いざ出されてみると凄まじく没頭してしまいました。
何というか感動できる物語なのですよね。しんみりとした読後感です。
第16位 金田一少年の決死行
金田一シリーズの第一期の最終話(この後4年休載します。)です。宿敵である高遠と決着をつけるために香港に向かった金田一のお話です。
シリーズでも屈指の分厚さと、それに見合うだけの重厚な高遠との対決。明智警視も刺されて重傷を負い、さらには金田一が重要参考人として捕まってしまいます。
その状況を跳ね返す金田一は格好良く、物語の完成度もシリーズでトップクラスに高いのですが、ミステリ部分が弱いためこの順位となりました。本当に惜しい。
第15位 雪霊伝説殺人事件
いやー騙されました。
金田一でも屈指のミスリードと、幾重にも張り巡らされたトリック。漫画との相性が極めて良いストーリー展開ということなしです。
さらには読了後の後味の良さといい自信を持ってお勧めできます。
金田一の数多くある雪の山荘もので一番好きですね。
第14位 函館異人館ホテル 新たなる殺人 (37歳)
異人館ホテルで上映された演劇の舞台にて、再び殺人事件が発生します。
前の『異人館ホテル殺人事件』も良かったですが、私はこちらの方が好きですね。とにかく演劇と殺人をうまく織り交ぜていて、ストーリーの進行がスムーズなのが良いです。
トリックと犯人も結構すき。
第13位 秘宝島殺人事件
宝探しの面白さと、犯人の意外性からこの順位に入れました。
相変わらず高難易度の宝探し参加者を募るテストにしれっと受かっている金田一。IQ180設定は伊達ではないですね。
クリスティの名作である『そして誰もいなくなった』を思わせる演出も好きです。あまり話題に上らない作品の気もしますがおすすめ。
第12位 八咫烏村殺人事件
何重にも張り巡らされた密室という事件コンセプトがすごく良かったです。
金田一37歳の後の金田一少年を描く久しぶりの事件ということもあり、気合が入っているように思いました。
絵柄に関して昔の劇画長の方が良いという人も多いと思いますが、私は連載開始から30年経っていて現代風にアレンジしている今の絵柄も好きです。
第11位 殺人二十面相 (37歳)
例によって仕事で実施する「江戸川乱歩展」というイベント会場の下見に訪れた金田一とまりんちゃん。
しかし、その会場で殺人事件が発生し、さらには犯人によって脱出口に爆弾を仕掛けられて閉じ込められてしまった金田一と関係者たち。当然の如く連続殺人が発生してしまいます。
とにかく犯人が良い。すごく良いです。
金田一も危機に晒され、犯人も極めて頭が切れる。且つ残忍な本性を持ち合わせていると素晴らしいの1言です。私には強くブッ刺さりました。
第10位 吸血桜殺人事件
事件の進み方はおとなしめながら、その驚愕の真相でトップ10入りいたしました。
詳しくは語ることはできませんが、金田一でも異例尽くしの事件なので、ランキング上位の作品よりもこちらを見てほしいくらいです。
第9位 香港九龍財宝殺人事件
香港で美雪ちゃんが誘拐され、美雪ちゃんを取り戻すために行動している金田一。さらには殺人事件と香港に隠された核爆弾と盛りだくさんです。
事件自体の完成度というよりは、お祭り騒ぎのような素直に面白いという展開が次々と続いていくのが好きですね。
ちなみにこの作品では美雪ちゃんが誘拐されている間に金田一が美雪ちゃんとみまちがえるほどそっくりな女の子が出てくきて、金田一に協力してくれるのですが、このキャラクターも良かったです。ジェネリック美雪というと失礼かもしれませんが。
第8位 獄門塾殺人事件
厳しい塾の模試において殺人事件が発生。そのトリックを解明した金田一ですが、犯人はわからないままで事件解決のために塾の開催する勉強合宿に参加する金田一と美雪ちゃん。
それぞれ文系と理系ということで別々の建物で授業を受けるのですが、どちらの建物でも更なる殺人事件が発生し…
そのトリックの大掛かりさと、あえて犯人の1人を明かした状態でこちらに謎かけをしてくる巧みなプロット。事件のラストの良さからトップ10にランクインです。
第7位 墓場島殺人事件
島でサバイバルをすることになった金田一とサバゲー部
そこで手榴弾による殺人が発生、外部に犯人がいると考え、島で警戒をしながら助けが来るまで耐え忍ぼうとするもさらに死体は増えていき…
真相を当てることが難しくも興味深い謎解き(金田一シリーズでは犯人当てのイベントを連載されている時に毎回やりますが、この回は特に正答率が低かったとのこと)と、サバイバルホラーとの組み合わせが最高でした。
自力でボウガンを作る金田一がすごい。
第6位 オペラ座館 第三の殺人
またしてもオペラ座館で起きてしまった殺人事件。今回もオペラ座の怪人の登場人物であるファントムの格好をした犯人が次々と人を殺してまわります。
剣持警部も危機に陥り果たして一体どうなるのか。
とにかく事件自体が面白いのと、犯人が極めて有能なのがいいですね。金田一シリーズでも屈指の印象に残る事件です。
第5位 蝋人形城殺人事件
Mrレッドラムという人に招かれて、招かれた人の蝋人形が飾られているなんとも言えない雰囲気の蝋人形城で始まる連続殺人事件。
そのホラーチックな雰囲気、息もつかせぬ展開。準レギュラーである明智警視周りの話が面白いことからベスト5入りです。
その面白さは、他の金田一シリーズをあまり知らなくとも楽しめるため、初心者にも向いています。
第4位 薔薇十字館殺人事件
金田一の宿敵である高遠さんが自分でも認識していなかった妹を人質に取られたということで、金田一に事件が解決したら大人しく捕まるということを交換条件に、金田一に協力を求めます。
そして向かった先は薔薇に囲まれた薔薇十字館、そこでなんとも浮世離れしたメンバーと共に過ごしますが、毒を塗った薔薇の棘がいつの間にか屋敷中に張り巡らされ、脱出は困難になります。
そんな中でもひたすらに頼もしい金田一、および協力関係にある高遠。私はこういう話が大好きです。
高遠好き必読の一冊ですね。
第3位 高遠少年の事件簿
金田一の宿敵、高遠遥一の学生時代に起きた事件を描く番外編です。
本来スピンオフや番外編をここに入れるつもりはなかったのですが、この作品は出来があまりにも良すぎるので入れました。
学校で次々と起きる首を切られる連続殺人。まるで手品のような不可思議な状況。そして、高校生の高遠さんが導き出す真実とは‥
ストーリーの緊迫感、トリック、登場人物(特に犯人)のキャラ、物語の締めくくりと全てにおいてレベルが高いです。
スピンオフなのにこの面白さはちょっと異常ですね。ある意味本ランキングの上位である1位と2位以上に知らない人には読んでほしい一冊です。
第2位 魔術列車殺人事件
言わずと知れたあの男の初登場回です。それによって順位が大幅にブーストされている面もあります。
しかし、列車の中で起きる不可思議な殺人事件から、舞台をマジックショーの劇場、さらにはホテルへと移しつつ魅力的な謎が提供されます。
途中のワクワク感やミステリ部分の面白さなどもシリーズでは間違いなく上位です。
謎を解かれれば解かれるほど格好良くなっていく犯人には思わず笑ってしまいます。オチも大好き。
底なし沼に沈められた金田一がどうやって這い出てきたのかは永遠の謎。
第1位 露西亜人形殺人事件
第一位は露西亜人形殺人事件です。この話では珍しく金田一の宿敵の高遠さんと金田一が協力?しながら犯人を追い詰めていきます。
途中に出てくる暗号やトリックは正直そこまでですが、話のプロットの完成度が恐ろしく高く、とにかく高遠さんが格好良すぎて痺れました。
そういう点では、純粋なミステリを望む人からの評価は低くなってもおかしくはありません。しかし、犯人周りの人間ドラマ。とその話の締め方のあまりの良さに一位に抜擢いたしました。
事件の途中ではなく、すべて読み終わった後にあまりの面白さでものすごくテンションが上がったことを覚えています。高遠さんについて事前知識を入れて読む分にはダントツでおすすめです。
まとめ
ランキングはいかがでしたでしょうか。15年にもおよぶ1人の金田一ファンの意見としてまあこう考える人もいるのだなと受け止めていただけると嬉しいです。
最新作でも、金田一周りにはいまだに謎が多く、正直完結が見えていません。今後もますます楽しめるコンテンツとして続くことでしょう。
ここまでお読みいただきありがとうございました。ぺこり。
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